企業パフォーマンスとESG 30 10月, 2025

エージェント型AI時代の到来 - 組織が今考えるべきこと

主なポイント

  • エージェント型AI時代は、技術よりも「適応力」が競争力を左右する
  • 知識吸収力は、AIの価値を成果へ変える組織能力である
  • APIがインサイトをリアルタイムの意思決定と行動につなげる
  • AI導入の成否は、組織文化と学習力にかかっている
  • 変化に適応し続ける企業が、持続的な競争優位を確立する

Karen Abramson, ウォルターズ・クルワー Corporate Performance & ESG部門 CEO 
Forbes Technology Council掲載(2025年7月16日)

エージェント型AI時代の次なるテーマ:進化よりも適応力

AIが牽引する現代のビジネス環境において、競争優位を決定づけるのは最先端のテクノロジーそのものではありません。新たな知見を迅速に取り込み、組織全体で活用できる企業こそが持続的な成長を実現します。 

ウォルターズ・クルワー Corporate Performance & ESG部門のCEOである Karen Abramson は、「知識吸収力(Absorptive Capacity)」という経営概念を通じて、このテーマを考察しています。知識吸収力とは、新たな知識をいち早く認識・吸収し、それを実践へと結び付けることで競争優位を生み出す組織能力を指します。
 
自律的な計画立案、意思決定、実行を可能にする新世代のAIである「エージェント型AI」の登場により、企業を取り巻く環境は大きく変化しています。AIファーストの時代において競争優位を維持・強化するためには、新たな知識を迅速に取り込み、活用する組織の知識吸収力(Absorptive Capacity)が不可欠になっています。
Karen Abramson, CEO Wolters Kluwer Tax & Accounting
変革を推進するのはテクノロジーそのものではありません。重要なのは、それをどれだけ迅速かつ的確に、そして組織全体で活用できるかです。そこにこそ、企業間の差を生み出す真の競争優位があります。
Karen Abramson, ウォルターズ・クルワー Corporate Performance & ESG部門 CEO

エージェント型AIがもたらす変革の実例
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エージェント型AIは、従来の自動化や生成AIからさらに大きく進化したテクノロジーです。単に指示に応答するだけでなく、自ら状況を判断し、主体的に行動を起こすことができます。

最新の調査によると、次のような傾向が明らかになっています。

  • 65%の企業がすでにエージェント型AIを試験導入(KPMG)
  • 2028年までに、企業向けソフトウェアの33%がエージェント型AIを搭載し、日常業務の意思決定の15%が自律化される見込み(Gartner)

コンプライアンスリスクの自動検知からリアルタイムの監査レポート作成まで、エージェント型AIはすでに経営管理・監査部門の業務の在り方を大きく変えつつあります。
しかし、これから競争優位を築くのは、単にAIを導入した組織ではありません。新たな知見を吸収し、変化に適応し、それを迅速に行動へ移せる組織こそが成功を手にするのです。

 

APIの力:インサイトを迅速な意思決定と行動へつなげる

エージェント型AIとAPIを組み合わせることで、組織は学習と実行を継続的に繰り返す好循環を構築できます。
APIは、ERP、CRM、コンプライアンス管理システムなどの基幹システムとAIを連携させ、AIが導き出したインサイトをリアルタイムの意思決定や業務プロセスへ反映します。その結果は再びAIへとフィードバックされ、さらなる改善へとつながります。

こうしたシームレスな連携によって、組織は知識を成果へと変え、その成果から学び続けることが可能になります。


組織の知識吸収力を高めるためにリーダーが実践すべき5つの行動

エージェント型AIを効果的に活用するためには、組織の知識吸収力を高めることが欠かせません。その基盤となるのが、適応力や洞察力を育む組織の行動様式です。

以下では、知識吸収力を高め、AI時代の競争力を強化するための5つの行動を紹介します。


  1. 好奇心を組織全体に広げる(Curiosity at Scale) – 新たな問いを歓迎し、既存の前提や慣習に疑問を投げかける文化を育みます。
  2. 知識共有を円滑にする(Fluid Knowledge Sharing) – 部門や組織の壁を取り払い、知識やノウハウの共有を促進することで、コラボレーションを加速させます。
  3. 目的を持って実験する(Purposeful Experimentation) – エージェント型AIの実証実験を単発の取り組みではなく、業務プロセスの一部として位置付けます。
  4. 戦略的なつながりを構築する(Strategic Linkages) – イノベーターや専門家とのパートナーシップを構築し、新たな知見やベストプラクティスを積極的に取り入れます。
  5. 学習を重視するリーダーシップを実践する(Learning-Driven Leadership) – 完璧な成果だけでなく、学びや進歩、好奇心を評価し、継続的な成長を促進します。

これらの行動は、新たな知見を実行可能なインサイトへと変え、変化や不確実性を成長の機会へと転換する組織の知識吸収力を高めます。

Q&A:エージェント型AI時代に求められる「知識吸収力」とは

  • エージェント型AIとは
    エージェント型AIとは、自律的に計画を立て、意思決定を行い、行動できるAIを指します。単なる業務の自動化にとどまらず、複数のプロセスやシステムを知的に連携・統合しながら業務を遂行することを可能にします。
  • なぜ知識吸収力(Absorptive Capacity)が重要なのか
    知識吸収力は、組織が新たな知識を的確に理解し、取り込み、活用することを可能にし、AIの価値を最大限に引き出すための基盤となります。
  • APIはどのように知識吸収力を高めるのか
    APIは、AIが生み出したインサイトを企業の業務プロセスへ直接結び付け、リアルタイムでの意思決定と継続的な学習を可能にします。
  • リーダーは今、何をすべきか
    AIの進化に歩調を合わせられるよう、学び続ける文化と、協働や実験を奨励する組織文化を築くことが重要です。

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