ヘルス23 2月, 2026

日本の医療を再構築:改革・超高齢化・AI活用を、信頼できるイノベーションで切り拓く

2025年7月、私は東京で行われた「持続可能な医療体制の構築に向けて:改革と財政的圧力の中での高品質な医療の実現」と題する弊社主催医療経営者向けセミナーに参加する機会に恵まれました。会場では、病院経営者、政策立案者、そしてイノベーターが集い、日本の医療の未来に関する活発な議論が交わされました。その対話は非常に示唆に富み、日本の医療システムが大きなプレッシャーに直面する一方で、同時に大きな可能性を秘めていることを改めて実感するものでした。

課題:ひずみが広がる医療システム

日本の医療システムには、現在、構造的・人口動態的・財政的という複数の圧力が同時に押し寄せています。高齢者人口がピークに達し、医療従事者が急減するとされる、いわゆる「2040年問題」は、もはや遠い将来の懸念ではなく、すでに今日の政策や医療現場の実践に影響を与えています。

  • 人口構造の変化:85歳以上の高齢患者が医療の中心となり、急性期医療から慢性疾患管理や在宅医療へのシフトが求められています。
  • 医療人材の不足:夜勤や救急医療の人員確保が年々困難になり、医療従事者の燃え尽き症候群(バーンアウト)も深刻化しています。
  • 財政の不安定化:病院の約70%が赤字経営となり、地域単位での統合や機能再編が進みつつあります。
  • デジタル化の遅れ:FAXや紙カルテが依然として使われる一方で、AI導入は診療報酬制度や導入コストによって制約を受けています。
  • 知識の分断:臨床情報への一貫したアクセスが提供されておらず、相互運用性の不足が、医療連携やケアの効率化を妨げています。

これらの課題は、インフレ、サプライチェーンの不安定化、医療技術の進歩に追いつく難しさといった、より広範な社会的課題によって、さらに複雑化しています。

ギャップを埋める:緊急性から行動へ

こうした複合的な圧力に対応するためには、小さな改善の積み重ねだけでは不十分です。国全体の医療環境の変化に適応できる、大胆で拡張性の高いソリューションが求められています。医療機関の再編が進み、医療提供モデルが変化する中で、臨床知識を統合し、ワークフローを最適化し、新たなテクノロジーを安全に導入する力が不可欠です。 ウォルターズ・クルワーは、単なるテクノロジーベンダーとしてではなく、日本の医療従事者や医療機関が変革を進めていくための戦略的パートナーとして、この課題に向き合っています。

ウォルターズ・クルワー:よりスマートで持続可能な医療を実現

ウォルターズ・クルワーは、医療の進化を支える、エビデンスに基づく臨床意思決定支援(CDS)ソリューションを提供しています。数十年にわたり、世界中の医療従事者がUpToDateを信頼し、診療現場での正確で一貫した意思決定に役立ててきました。私たちはイノベーション戦略の一環として、「責任あるAI」の枠組みのもと、透明性、公平性、人間中心の設計を重視しながらAI活用を推進しています。ウォルターズ・クルワーのCDSソリューションは、病院の統合を支援し、ケアチームを強化し、AIを安全かつ効果的に導入することを可能にします。

ウォルターズ・クルワーのCDSソリューションは日本の医療改革の方向性と連動し、以下を実現します。

  • 臨床知識の標準化と共有
  • スケーラブルなAI統合
  • 多職種チームにまたがる業務効率の向上

限られたリソース環境においても、私たちは医療機関が自信・明確さ・そして思いやりをもって、より良い医療を患者に提供できるよう支援しています。日本の医療システムは複雑な課題に直面している一方で、大きな可能性を秘めています。伝統とイノベーション、正確性と共感を両立させた次世代の医療モデルにおいて、日本は世界をリードできると私たちは信じています。

このたび日本で発売された UpToDate Enterprise Editionには、AI検索機能やAI分析ダッシュボードなどの機能が搭載されており、医療施設全体での意思決定とインサイト創出を支援します。専門家によるレビューを経た信頼性の高いコンテンツを基盤とし、ケアチームがエビデンスに基づく回答へ、迅速かつ一貫してアクセスできるよう設計されています。さらに、米国で最近提供が開始された UpToDate Expert AIは、生成AIを活用し、透明性が高く文脈に即した回答を臨床現場で提供します。これらの機能強化は、医師がより迅速かつ的確な意思決定を行うことを支援するためのものです。こうしたイノベーションを日本へ届け、日本の医療を支える皆さまと協働できることを、大変楽しみにしています。

セミナーの内容をオンデマンドで視聴可能です。各分野を代表するスピーカーの声を直接お聞きください。

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Shelia Bond
ウォルターズ・クルワー・ヘルス、クリニカル・エフェクティブネス、臨床コンテンツストラテジー担当部長

臨床コンテンツストラテジー担当部長として、ユーザーや顧客、さらには医療現場のニーズに応じて、臨床コンテンツを継続的に発展させるための取り組みを主導。

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