Three people pointing at the silver laptop computer
ヘルス20 9月, 2021

看護教育において仮想学習から対面学習へ戻るための3つの戦略

By: Lisa Shustack, EdD, MSN, RN, CNE, CNEcl
コロナ禍をきっかけに、看護プログラムが突然オンライン学習形式へ移行してから1年が過ぎました。急速な移行の中で、看護教育に携わる誰もが最善を尽くし、新しい状況に柔軟に対応し、仮想学習の世界に取り組みました。この移行により、マンネリ化や「いつものやり方」へのこだわりがなくなり、看護教育に対するイノベーションと意欲に火がついたという面もあります。

しかし、今また、新たな変化を迎えようとしています。多くの学校では秋学期になれば通学を再開し、看護学生が仮想学習から対面授業に戻るのをサポートすることになります。1年生や2年生の中には、大学の教室で授業を受ける機会が一度もなく、仮想学習を通してしか看護学校を体験していない学生もいます。そのため、看護教育者はこうした現状を認識した上で、戦略をまとめ、学生たちがこの新しい学習環境に慣れるようにサポートする必要があります。

仮想学習から対面学習へよりスムーズに移行するために、看護教育者が実行可能な3つの戦略をご紹介しましょう。

1. コミュニティ作りの促進

看護教育者は、様々なオンライングループ活動を通じて、仮想授業でしっかりとしたつながりを築くためできる限りのことをしましたが、コミュニティ意識や仲間意識の構築は、対面授業の機会がなかった1、2年生と比較して、コロナ禍前に対面で交流のあった上級生の方がかなりスムーズにできました。秋学期を迎えるにあたり、看護教育者は時間をかけて社会的関係を築く計画を立て、その関係を育みましょう。そのためにチームビルディング活動および自己紹介ゲームを行います。つまり、グループワークやグループディスカッションを教育と学習活動の中心に据えるということです。

1週目の楽しいコミュニティビルディング活動の一例として、「A Bucket of Fun(バケツ遊び)」があります。この「自己紹介ゲーム」は、夏に別れを告げ、新学年を迎えるための楽しく、気の利いた方法です。砂遊び用の小さなバケツいっぱいに砂を入れ、飾りにプラスチックショベルを挿しておきましょう。そして「あなたのことを知るため」の質問をプリントアウトします。たとえば、「この夏一番の思い出は? 好きなアイスクリームフレーバーは?お気に入りの行楽地は?」などです。質問ごとに切り分け、くるくる巻いてバケツの砂に挿します。教室でバケツを回し、学生は1人ひとつの質問に答えます。

2. 20-10-20分リズムの授業

20-10-20分授業は、運動と活動を促すように構成された授業です。最初の20分間は、講義またはディスカッションに使用します。最初の20分間を終えたら、次は学生に何か体を動かすことをして、教室の中を動き回るように指示します。席を立ってグループ作りをしたり、学習活動のために教室を歩き回ったりするだけでもかまいません。時間は10分以内とします。最後の20分間は、学生が授業から学んだ内容や重要な知識を見直します。仮想授業を受けてきた学生が対面授業に戻って適応するには時間がかかります。活動や運動を自分で考えることで退屈せず、良好な関係が維持されます。

10分間授業の運動活動の一例に「Sticky Stuff(付箋貼り)」があります。この活動では、学生にそれぞれ付箋を1枚配り、前の20分間の講義またはディスカッションから学んだ重要なポイントをひとつ書く、またはよく理解できなかったことについてひとつ質問を書くように指示します。次に、教室の四方の壁のどこかに自分の付箋を貼ってもらいます。貼った後は、室内を歩き回って他の人の付箋を読んでもらいます。そして最後の20分間で、付箋に書かれていることについてディスカッションします。

3. テクノロジーと教育・学習の統合を継続

仮想学習への移行に手こずった看護教育者もいたと思いますが、そのような中でも素晴らしい発見がいくつもありました。それらは今後も継続するべきでしょう。1つめは、前もって講義を録画し、授業までに学生向けに投稿することです。そうすることで、学生は自分のペースで、都合の良い時間に講義を視聴し、必要であれば何回でも見直すことができるようになります。対面授業では、活動的な学習の実践や、学生が授業により深く取り組むことができる活動を行います。これは多様な学習者のニーズに合わせるという意味でも優れた授業の分け方です。2つめは、対面授業に出席できない学生は、Zoomなどオンラインで授業に参加できるようにすることです。適切な授業ルールを用いてオンラインで参加できるようになれば、交通の便が悪い学生や病気の学生、キャンパスに行くことに不安のある学生にとって選択の幅が広がります。

対面学習に戻ることになり、看護教育者は発奮しながらも慎重になっています。その一方で、仮想学習が1年間にわたり学生に与えた影響についても心に留めておく必要があります。古いやり方に回帰するだけではなく、看護学生のために仮想学習の利点を取り入れて、より魅力的で活気のある、対話重視の学習環境を作ることが重要です。仮想世界での学習はすでに始まっています。大切な学生たちのために、いかにして最高の学習環境作りを続けていくか、今後もじっくりと、さらに掘り下げて考えていきましょう。

Lisa Shustack, EdD, MSN, RN, CNE, CNEcl
Expert Insights Contributor for Wolters Kluwer, Nursing Education
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