日本貨物航空株式会社
国際航空貨物分野では、外的要因によって週単位でも収益が大きく変動することがあります。在庫を持たない業態である同社にとって、ビジネス上の重要なテーマとなるのが、前週の運航結果に基づき収支をタイムリーに把握すること。この採算管理業務は、同社のレベニューマネジメント部が担っています。毎週行われる会議では、マーケティング部門・営業部門とともに同レポートを見ながら、計画に対する実績を確認し、翌週以降の事業の方針確認および改善に向けた議論を実施します。2008年以降、日本貨物航空株式会社(以下、NCA)はシステムに組み込んだアドオンによって複数のソースからの入力を処理していましたが、データから関連情報を処理・出力する時間を短縮したいと考えていました。そして2020年末、新たな採算管理システム構築のパートナーとなるSIer企業の提案の比較を開始しました。NCAとその親会社の両方にとって、スケジュールの遅れやレポーティングの中断を避けることが必要不可欠でした。
目的
NCAは、経営管理プラットフォームをベースに、事業の多角化に臨機応変に対応可能な新しい収益管理システムを求めていました。機動性と柔軟性を高めるために、独立したシステムを計画しました。ソリューション
2020年末、同社はソリューション構築のパートナーを選定するため、約10社に提案依頼書を発行しました。製品カテゴリとして、EPM(経営管理プラットフォーム)またはBI(ビジネス インテリジェンス)製品を軸とした提案を求めました。CCH® TagetikのパートナーであるTISは、CCH® TagetikのSaaS版をNCAに提案しました。このソリューションは、トップクラスの多機能性とスケーラビリティを備えています。NCAは、CCH® Tagetikの予算・計画と収益性管理・分析機能を採用しました。
CCH® Tagetikは、他の多くのビジネス情報ソリューションとは異なり、経営管理に特化した多くの標準機能と、迅速なレポート作成を可能にするExcelとのネイティブな統合機能を備えています。
効果と結果
CCH® Tagetikで構築した収益管理システムは、2022年4月より本稼働しており半年以上が経過した現在も安定的に稼働しています。収支計算に必要な情報を複数の社内システムから収集・整理するスピードが向上したことが、大きな効果となっています。CCH®Tagetikの収益管理システムの導入により、週報作成作業が半日短縮され、経営計画のPDCAサイクルが高速化されました。また、連携データを修正し、1日のうちに何度か実行をする一連の処理が、15分から3分程度に短縮されました。
以前は定例会議の席で配布していた収支レポートを、早ければ当日の午前中に、マーケティング担当者・営業担当者に渡せるようになりました。各メンバーはレポートに目を通し、翌週の対策を考えたり、今後の数字を予測する等の準備をした上で、夕方の定例会議に出席できるようになりました。今では、効率化に加えて、異常値を見落とすリスクも回避できるようになっています。CCH® TagetikとTISは協力して、このソリューションを迅速に導入しました。
今後、収支予測シミュレーションの活用も検討されています。国際航空貨物運送業であるNCAは、世界の経済状況や社会情勢など他律的な影響を受けやすく、採算の数字は大きく変動します。収支の予測シミュレーションにより、翌週以降の事業の方針確認および改善に向けた議論がしやすくなることが期待されています。
連携データの修正作業の迅速化 | 連携データを修正し、1日のうちに何度か実行をする一連の処理が、15分から3分程度に短縮 |
週次レポートの高速化 | 週報作成作業が半日短縮され、経営計画のPDCAサイクルが高速化 |
Excelとのシームレスな統合による レポート作成 | 経営管理に特化した多くの標準機能と、迅速なレポート作成を可能にするExcelとのネイティブな統合機能 |
異常値の見逃しリスクの低減 | レポートに目を通し、翌週の対策を考えたり、今後の数字を予測する等の準備が可能に |
より効果的なビジネス戦略立案 | 事業の方針確認および改善に向けた議論がしやすくなることを期待 |
スケジュール通りのソリューション提供 | CCH® TagetikとTISは協力して、このソリューションを迅速に導入 |
何度か実行をする一連の処理が、
15分から3分程度に短縮されました」