最新調査により、CFOの職責はデジタル変革(53%)、資本配分(42%)、リスク管理(40%)へと拡張していることが示されました。CFOは、企業全体のパフォーマンスを統括する中枢的存在へと進化しています。
2026年3月3日、ニューヨーク発 ― Wolters Kluwer Corporate Performance & ESG(CP & ESG)が実施した最新のグローバル調査により、CFO組織はデジタル変革の“準備段階”を脱し、テクノロジー、リスク、そして戦略的責任に基づく実行フェーズへと移行していることが明らかになりました。
本調査は、CFOが部門横断で戦略・リスク・テクノロジーを統括し、経営陣全体を巻き込みながら具体的なビジネス成果を創出する中核的存在となっていることを示しています。加えて、従来の経営管理責任を超え、CFOの役割が本質的に拡張していることが、以下のデータから明らかになっています。
- 回答者の53%が、デジタルトランスフォーメーションはCFOが主導していると回答
- 回答者の42%が、資本配分はCFOが担っていると回答
- 回答者の40%が、リスク管理はCFOが担っていると回答
ウォルターズ・クルワー CP & ESGのCEOのMaria Montenegro氏は次のように述べています。
「CFOはリーダーシップの在り方を変えつつあります。データ、テクノロジー、リスク、戦略を横断的に統合し、デジタル時代の経営を主導しています。AI主導の意思決定環境のもと、CFOは企業の計画・予測・実行をより高精度に導く中心的存在となっています。」
本調査は、2026年版「ウォルターズ・クルワー Future Ready CFO Report」にまとめられています。20以上の市場、1,672名の経営管理リーダーを対象とした本調査は、変化と混乱が続く環境の中で、俊敏に動けることはもはや強みではなく、成果を出すための前提条件となっています。
AIが変えるCFOの役割―管理から統括へ
この変化を牽引している主要な要因がAIです。回答者の約半数(47%)が、AIの導入・活用を現在最も影響力の大きいグローバルトレンドと捉えており、金利変動や規制の複雑化を上回っています。さらに本調査は、AIが単なる業務の自動化や効率化にとどまらず、戦略的意思決定の中核を担う存在へと進化していることを示しています。
また、この変化は、CFOに求められる役割を大きく押し上げています。87%のけ経営管理部門のリーダーが、AIの活用が進む中でCFOへの期待が拡大していると回答しています。CFOは今、計画・予測・実行を横断して企業パフォーマンスを統括する中核的存在となりつつあります。
リーダー層の期待も大きく変化しています。85%が、今後1年以内にAIが自身の役割を再定義すると考えており、テクノロジーを活用した計画・予測・パフォーマンス創出に対するCFOの責任は急速に拡大しています。
今後を見据えると、62%が今後3年以内にAIおよび高度な分析が資本配分に変革をもたらすと予測しています。これにより、CFOは部門や時間軸を超えて企業パフォーマンスを統括する中核的存在としての役割を、さらに強めていくと見られます。
資本配分は、パフォーマンスとリスクで決める時代へ
資本配分は今、CFOにとって最も難易度の高い意思決定領域となっています。外部環境の影響が強まる中、投資判断の自由度は大きく制約されています。
- 回答者の43%が、AIへの投資が資本配分の意思決定に直接影響していると回答
- 回答者の42%が、金利変動を主な要因として指摘
- 回答者の37%が、規制の複雑化を主要なドライバーとして挙げる
これらの要因により、資本配分は“最適化”から“規律ある経営判断”へと変化しています。CFOは、成長・規制対応・レジリエンスを同時に実現するため、シナリオ分析やリアルタイムデータを活用した高度な意思決定を求められています。
企業パフォーマンス統括の鍵を握るデジタル成熟度
多くの組織がデジタル基盤の整備を進めている一方で、本調査は依然として大きな成熟度のギャップが存在することを明らかにしています。経営管理部門の69%が、自社をデジタル成熟の初期または中間段階にあると認識しているのに対し、リアルタイム対応や大規模な自動化、継続的な最適化を実現する“高度なデジタル組織”に該当すると回答したのはわずか18%にとどまっています。
市場の変動が常態化し、規制の複雑性が増す中で、いま経営企画部門に求められているのは「説明責任」を軸とした役割です。CFOは、変革の成果をいかに可視化できるか、AIを意思決定にどこまで組み込めるか、そして不確実性の高い環境下でいかに資本を再配分できるかといった観点で評価されるようになっています。
今後優位に立つのは、戦略的視点とテクノロジー実行力を兼ね備え、データ・リスク・経営戦略を統合しながら長期的な価値創出を実現できるCFOを擁する企業といえるでしょう。