ヘルス14 3月, 2022

適切なツールと機会を活用し、リソースが限られた人々のために医療の公平性を実現

Asian woman with cancer meeting with African female physician
米国ではネイティブア メ リ カンや有色人種の人々の多くが医療アクセスへの障壁と格差に直面していますが、COVID-19の感染拡大でこの状況はさらに悪化しています。こうした人々に医療サービスを提供する医療従事者にとっては、信頼を築き適切なツールを見つけることも 医療の公平性への取り組み の一部です。

ミネソタ州ミネアポリス・セントポール都市圏のAxis Medical Center では患者コミュニティとの信頼構築に務める必要があったと、最高財務責任者のJonathan James, Ph.D.は述べています。Health Evolutionの最近の 医療の公平性への取り組みに関する記事 でJames氏は、50%以上が貧困基準以下の生活を送り、80%以上が英語以外を第一言語とする患者層に医療を提供する自分のチームの対応について説明しています。

移民の患者との間で信頼を築きコミュニケーションを改善するために重要なのは、言葉と文化の壁をなくすことだとJames氏は書いています。その橋渡しをする1つの方法が、海外の医学部卒業生を雇用することだということです。このような人材は患者のために通訳をできるだけでなく、言葉以外の面でも患者に親しみやすさや気楽さを感じさせることができ、関係を築くことができます。

「こうした患者については、訴えを十分に聞かなかったために病状が悪化した例が頻繁に見られます。治療可能な健康上の問題が放置される理由は、単にその患者が医療にアクセスできない、治療について知らない、病院に行けない、あるいは言葉の壁があるからではないのです。もっと早くきちんとした医療につなぐことができていれば、苦しまずに済んだ患者があまりにも多いのが現状です」と、James博士は述べています。

遠隔診療による状況の改善

医療の公平性に対する一般的な障壁の一部を、 遠隔診療 が解決できる可能性があることは、多くの専門家が同意しています。遠隔診療を活用すれば、患者は仕事の合間の短い休憩の間や、病院に行く交通手段がない場合でも、医療提供者とつながることができ便利です。

「遠隔診療は病院に行くために仕事を1日休み交通手段を確保する必要がないため、患者に人気があります。受話器を取って15分ほど電話をかければ良いのです。遠隔診療は医療の1つの形として普及しています」と、 Americares Free Clinics のエグゼクティブディレクターであるKaren Gottlieb氏は「Health Evolution」の記事で説明しています。Gottlieb氏が受け持つラテンアメリカ人の患者の90%が、遠隔診療と対面診療を組み合わせたモデルを利用することで治療の一貫性を保ち、必要性の高い特殊治療を受けることができています。

man and child with female doctor, black and white image
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信頼が基本:Axis Medical Centerは十分な医療を受けられていない人々に最善の医療を提供しようと取り組んでいます。

支援者へのサポート

James氏とGottlieb氏のチームはどちらも、医療の不公平と不平等に直面している患者層への対応を行う際、限られたリソースをやり繰りしなければなりません。遠隔診療の通話中を含め た診療中に、医療従事者が最新の医学的証拠や臨床的ガイダンスにアクセスして判断を行えるよう支援するため、Axis Medical CenterとAmericares Free Clinicsは 寄付プログラム を通じて 臨床意思決定支援システム「UpToDate®」の無料購読サービスを受けています。

きわめて複雑な臨床上の問題についても解決に役立つリソースにアクセスでき、多言語の教材もそろっているため、医療従事者は調査にかける時間を短縮でき、患者と直接交流して話を聞く時間を増やせます。James氏は、これは医療の公平性への取り組みにとってきわめて重要であるとしています。

医療従事者は「謙虚になれない」ことが多いと、James氏は述べています。「いろいろな点で医療従事者は自分の方が知識があると考え、間違った思い込みをすることがあります。医学部を卒業しているし、この分野のことには精通している、と考えがちです。間違うのは患者の話に耳を傾けるのをやめたときです。人間にとって欠かせない気遣いをなくしたとき、私たちは間違いをおかすのです」。


すべての人が場所を問わず最善の治療を受けられるようにすべきだというのがWolters Kluwerの信念です。

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医療の公平性と医療の平等性について

医療の公平性と医療の平等性という言葉は似ていますが、これらは医療に対する異なるアプローチを表しています。

医療の平等性 は、すべての人が同等の医療サービスを同等のアクセスのしやすさで受けることができることを言います。たとえば、経済状況や身分、リスク要因を考慮せず、すべての患者が同じ健康状態に対して同じ検査と治療を同じ頻度で受けられることを意味します。この枠組みでは偏りは考慮しません。

これとは異なり医療の公平性とは、人種差別や性差別、貧困といった原因で医療にアクセスしにくいなど、特定グループの医療アクセスが限定される可能性がある体系的な障壁を考慮に入れることで、条件を平等にしようと務めることです。医療の公平性という枠組みでは、医療従事者は社会的決定因子 の影響と、それに対応するための戦略について考慮します。

HealthEvolution.comで、Americares Free ClinicsとAxis Medical Centerによる医療の公平性向上に向けた取り組みについての記事全文をお読みください。

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