ヘルス09 11月, 2020

高知大学医学部附属病院医薬品情報の素早い検索で、薬剤に関する安心と安全を実現

高知大学医学部附属病院の薬剤部では、病院内における「薬剤に関するチェック機能の要」として、医薬品情報の提供にLexicomp®を役立てています。薬剤に関する業務を統括されている森田靖代薬剤師と門田亜紀薬剤師に、実際の利用シーンや具体的な利用方法を伺いました。

エビデンスに基づく薬剤情報を提供することが使命

Yasuyo Morita 私たち薬剤師は病院内での「薬剤に関する質問」を、さまざまな部署から受けています。特に当院は大学病院ですから、いわゆる希少疾患の患者さまも多く、些細なことから日常的に使用頻度が少ない薬剤のこと、妊娠中の患者さまや早産児への投与量など、特定の背景を有する患者さまについての問合せが多いと思います。

私たちは問合せに対してまず、「添付文書」を確認します。しかし、添付文書には「投与をしないケース」のことは記載がありますが、「投与できるケース」についての詳細な情報はありません。薬剤の適応外となるケースについて、製薬会社が有する情報は公開されていないため、製薬会社に問合せをしても回答をいただくまでに数日を要します。

もちろん、こうしたケースは非常にまれなので、毎日頻回にあるというものではありません。しかし私たちは薬剤のプロですから、なるべく早く、エビデンスに基づく情報を提供したい。そのような時には、必要かつ的確な情報を手軽に確認できるツールとして、Lexicompを利用しています。

小児科、産婦人科領域におけるLexicomp

Aki Kadota 私は小児科病棟を担当しているため、新生児や小児に対する薬剤の投与量の問合せを頻繁に受けます。例えば小児に対する投与量が国内で設定されていないような薬剤でも、Lexicompで調べると、FDA(米国食品医薬品局)基準のような、海外での用量設定の情報が掲載されていることもあります。これが私の中では、Lexicompを利用したい一番の理由です[1]。そして、薬剤の調製準備における問合せとして、抗生剤の溶解量に関するものもあります。回答には適切な情報が必要となるため、こうしたシーンでもLexicompは役立っています。また、妊娠と授乳に関する情報が豊富である点も、Lexicompを利用したい理由です。

Yasuyo Morita 現在私は病棟を担当することは少ないのですが、産科外来で妊娠や授乳に関する薬剤について、医師や看護師と一緒に薬剤の内容を検討し、患者さまへ情報提供をする機会があります。実際に外来で相談にこられたある患者さまは、妊娠初期に薬剤を服用してしまいずっと不安に思われていたのですが、こちらからの情報提供でご自身も安心されたのでしょう、涙を流して「ありがとう」と仰っていました。もちろん私たちは薬剤使用に際し、患者さまに対して「大丈夫」という言葉は使えません。しかし、「悪い影響を及ぼすという情報が無い」ことをお伝えすることはできます。つまり、私たちが薬剤について調べる時、「情報が無い」という視点も必要なのです。「情報が無い」ことに言及するという意味でも、エビデンスに基づくグローバルな医薬品情報が網羅されているLexicompは重要な役割を果たしていると言えます。

正確かつ適切な医薬品情報を提供

Yasuyo Morita 薬剤師は、いろいろな役割をもっています。がん領域、小児領域、アレルギーの専門家もいますし、院内のICT(感染対策)チームに所属するなど、その業務内容は多岐にわたっています。大学病院の薬剤師として、常に薬剤の情報にアンテナを張っておくという日々の努力に加えて、薬剤に関する問合せには、短時間で正確かつ適切な情報を提供することが求められます。

Aki Kadota 私が先日担当したケースでは、甲状腺機能亢進により妊娠中も「薬剤を服用継続」した患者さまの出産に伴い、出生児の剥離性皮膚障害との関連性についての調査を行いました。Lexicompで調べてみたところ、薬剤が出生児の甲状腺に対して影響は「ある」ことが分かりましたが、それと同時に、皮膚障害に関する情報は「無い」ことが分かりましたので、「この薬剤と新生児の皮膚障害には関連性がない」と考え、担当医師に情報提供を行いました。私たちが調べた情報は、口頭でもお伝えしていますが、電子カルテに記載したり文書としてまとめたりしながら、共有できるようにしています。

Yasuyo Morita 私たちは、当院における「薬剤に関する医療安全の要」でありたいと考えています。大学病院ですから、ハイリスクな患者さまも多いですし、使用されている薬剤もさまざまです。そのような環境で、薬剤の安全性を担保するという大きな役割を担っていると考えています。

しかし、薬剤師がすべて同じ知識レベルにあるわけではありません。専門薬剤師の資格を持つ薬剤師もいますが、専門資格がなければ情報提供ができないのではなく、専門的なことでも薬剤師全員が一定レベルの情報を提供していく必要があります。このような状況でも、Lexicompは役立つのではないかと考えています。

Aki Kadota 患者さまの抱える不安や薬剤による影響はどこにでもあります。的確な情報が患者さまの安心や安全につながるよう、病院内だけでなく病院以外で働くさまざまな立場の薬剤師にも、「情報をすばやく的確に検索できるツール」であるLexicompを利用してほしいと思います。

「適切かつエビデンスに則った情報をすばやく提供することは、患者さまの安心・安全につながります。そのチェック機構の要となるのが、私たちの使命です。」
門田亜紀薬剤師と森田靖代薬剤師

高知大学医学部附属病院について

高知大学医学部附属病院は、高知県内唯一の大学病院(特定機能病院)であり、高度医療の提供、医療技術の開発や評価を行うほか、若手医師や看護師を育成する教育機関でもあります。現在、病院全体の再開発が行われており、最新設備を備えた手術室、ICU、GCU、NICUなどが稼働しています。同院はまた、急性期医療、災害医療、がん医療等における中核的医療機関であり、地域医療へ大きく貢献しています。同院は、ウォルターズ・クルワーのクリニカル・エフェクティブネス(臨床有用性)ソリューションを2005年から使用しています。

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