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ヘルス19 11月, 2021

査読プロセスと著者

査読プロセスは、論文掲載に至るまでの道程における最後の難関です。多くの著者がこのプロセスについて誤解しています。査読がどのように行われるか知っておけば、論文のアクセプトを目指す上で有利になるでしょう。

エディトリアルノート:この記事の内容は、ウォルターズ・クルワー オープンアクセス出版部門ディレクター Duncan MacRae によるウェビナー「What to expect from the peer-review process(査読プロセスでは何が行われるか)」に基づいています。

査読:厳しい真実

著者としてあなたが査読についてまず理解すべきことは、査読はあなたの論文を改善するためというよりも、リジェクトする理由を見つけることを目的とするプロセスだということです。これは一流ジャーナルのアクセプト率が低いことを見れば一目瞭然です。アクセプト率が15%ということは、リジェクト率が85%ということになります。シンプルな数字の裏には苛酷な現実が隠れているのです。

幸いにも、この確率を上げる方法があります。

論文のアクセプト率を高める最善の方法

論文がアクセプトされる確率を高めるためのもっとも重要な、たった1つのステップは、驚くほどシンプルです。それは論文の投稿規定を注意深く読み、守ることです。投稿規定には、あなたの論文がそのジャーナルの対象範囲に合っているか、そのジャーナルがあなたの論文のようなタイプの論文を掲載しているか、編集者がどんな論文を求めているか、フォーマットの詳細など、主要な問題に対する答えが記載されています。どれも即時のリジェクトを避けるために必要な、きわめて重要なポイントです。

査読プロセスの実際

著者は査読プロセスについて誤解しがちです。査読を以下のような単純なプロセスであると誤った認識を持っている人は少なくありません。

投稿    →    査読    →    裁定

実際の査読プロセスは以下のように複数のステップからなります。

一般的な査読の流れ

査読プロセスの一般的な手順:

  • 投稿 – 論文をジャーナルに提出します。
  • テクニカルチェック – 必要な材料がすべて正しいフォーマットで提出されているか確認します。
  • 担当編集者の割り振り – 査読者を選定し査読を依頼する編集者を決定します。
  • 初回評価 – 担当編集者が全体的な適切性および新規性について論文を評価します。
  • 査読 – 正式に論文を評価する査読者(通常2~3名。ジャーナルによって異なる)を決定します。
  • 裁定 – あなたの論文に対し、修正、リジェクトまたはアクセプトの判定が下されます。

上記のプロセスの複数の時点で、投稿規定をよく読み順守することが即時の「デスクリジェクト」回避につながります。だからこそ投稿規定を順守するのは著者にとってもっとも重要なステップなのです。

避けるべきよくある問題

査読プロセスでよくみられる問題をいくつか取り上げます。もっとも容易に回避できるのは、論文のフォーマットが間違っている、必要な材料がそろっていないなどの投稿ミスです。投稿規定を注意深く読めば避けられることです。

ほかには、論文の質が低い、ジャーナルの対象範囲に合っていない、といった問題もよくみられます。これらの問題も容易に回避することができます。 校正サービスは、論文の改善に有用です。投稿規定にはジャーナルの対象範囲についても記載されています。

査読にまつわる最後の問題は、査読者探しに時間がかかることです。こればかりは著者にはどうすることもできませんが、決まるまで不安を抱えて待つことになるので心得ておきましょう。

この重要なプロセスについて、より深く議論したウェビナー、 「What to expect from the peer-review process(査読プロセスでは何が行われるか)」 をぜひご覧ください。重要な注意点がいくつかあります。

  1. 必ず注意深く投稿規定を読み、守ること。それが論文がアクセプトされるための最重要ステップであることに変わりはありません。
  2. 気長に待つこと。査読プロセスには、何週間もかかります。
  3. 「修正や再提出」はよくあること。修正なしで受理される論文はほとんどありません。また当然のことですが、これは論文がリジェクトされていないことを意味します。
  4. 修正依頼があった場合、ひとつひとつのコメントに対応してから再提出する。そうすれば、その後の査読が格段にスムーズに進みます。
  5. リジェクトされても投げやりにならないこと。リジェクトされるのは辛いことですが、そのうちまた同じジャーナルに投稿したいと思うようになるかもしれません。

詳細について
Webinar recording: What to expect from the peer-review process
Article (Editage.com): Everybody faces manuscript rejection, even a Nobel Laureate
WK/Editage editorial services

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