実践的なエビデンスを

患者を治療する時は、入手可能な最良のエビデンスと専門知識に基づいて意思決定を行いたいと考えるものです。しかし、経験豊かな臨床医でも、最新の臨床研究や治療法の進歩を常に把握しておくには支援が必要です。

UpToDateの執筆者や編集者は、入手可能な臨床証拠とベストプラクティスを統合し、患者に質の高いケアを提供し、高水準の研究を行うのに役立てています。

UpToDateでは、体系的で透明性のある編集方針に従って、臨床上の疑問に適用できる臨床エビデンスを特定し、確認し、まとめています。

編集スタッフは、UpToDateの臨床トピックを作成・更新するために、医学文献を包括的に調べ、研究の質や、エビデンスの階層および臨床的重要性を検討しています。

エビデンスの階層の頂点にあるのは、方法論的に質の高いメタ解析や無作為試験で、その下に方法論的に限界のある無作為試験があり、次に観察研究と非体系的な臨床観察(専門家のコンセンサスや意見)が続きます。関連データがすべて示される体系的レビューにエビデンスがまとめられている場合は、より確実な推論となります。

エビデンスに基づいた医療とは?
「エビデンスに基づいた医療とは、個々の患者のケアに関する判断にあたって、最新・最良のエビデンスを良心的かつ明示的に、妥当性のある方法で用いること。エビデンスに基づいた医療の実践とは、個々の臨床専門知識を、体系的研究から入手可能な最良の外部の臨床エビデンスと統合することを意味する。」

Evidence based medicine: what it is and what it isn't.  Sackett David L, Rosenberg William M C, Gray J A Muir, Haynes R Brian, Richardson W Scott. BMJ 1996; 312 :71

医師でもあるUpToDateの副編集者は全員、臨床疫学の訓練を受けており、レビュープロセスの統合性と整合性を確保すべく専門家である執筆者と密接に協働しています。編集チームは、以下でエビデンスを確認しています。

  • 425誌以上の査読付き学術誌
  • 学会ガイドライン、臨床データベース、臨床試験で新たに発表された重要な医学的所見
  • Medline、The Cochrane Library、Clinical Evidence、Agency for Healthcare Research and Qualityなどのデータベース
  • アメリカ疾病予防管理センター、欧州医薬品庁、世界保健機関など、主要機関のガイドラインや研究論文
  • 主要医学学会の議事録
  • 世界的に著名な7,300人以上の専門家が、広範な臨床経験を駆使し、UpToDateの編集者と協力してエビデンスを個々の患者の状況に適用すべく努力

不明確なエビデンスに基づいて意思決定を行わなければならない場合に役立つ格付け済み推奨

UpToDateの推奨事項は、臨床試験や臨床経験から得られた知見を含めた、総合的なエビデンスに基づいています。推奨事項は、推奨の強さ(強いか弱いか)とエビデンスの質(高い、中程度、低い)を示すGRADEシステムに基づいて分類されています。このシステムの共同作成者であるゴードン・ガイアット医師が、医師でもあるUpToDateの編集者を対象に、エビデンスに基づいた医療と格付けに関する研修を定期的に実施しています。

「…臨床意思決定を行うのに、エビデンスだけでは不十分だ。意思決定者は、ベネフィットとリスク、負担、代替管理方法に伴う費用を常に比較検討し、またその際には、患者それぞれの状況や価値観、選択を考慮しなければならない。」

Users’ Guides to the Medical Literature: A Manual for Evidence-Based Clinical Practice, Third Edition. Gordon Guyatt, Drummond Rennie, Maureen O. Meade, Deborah J. Cook. JAMA Evidence. 2015.

case study - neonatal diabetes mellitus
臨床医の事例:
ある小児科レジデントは、UpToDateを使用して、糖尿病の極めて稀な症例を診断しました。